やまざくら
畑では桜はどうかと言うと…
山桜が咲いている。
いつもは玉縄桜、ソメイヨシノときて、散る頃に山桜が咲くのに、どういうわけか今年はソメイヨシノと山桜がほぼ同時だった。急に暖かくなったのだろうな。
畑をとり囲む山々のみずみずしいこと!鎌倉野菜はこんな美しい場所で作られているんです。
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畑では桜はどうかと言うと…
山桜が咲いている。
いつもは玉縄桜、ソメイヨシノときて、散る頃に山桜が咲くのに、どういうわけか今年はソメイヨシノと山桜がほぼ同時だった。急に暖かくなったのだろうな。
畑をとり囲む山々のみずみずしいこと!鎌倉野菜はこんな美しい場所で作られているんです。
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あまり知られていないのだが、我が家の近所、鎌倉市玉縄の谷戸池は桜の名所だ。ひっそりとした住宅地の中にある。
もともと山裾に雨水がたまってできた池で、農業用の潅水として使っていたもの。終戦の年に平和を祈って近所の人が池のふちに苗木を植えたのが始まり。今では住宅に取り囲まれる池のほとりに見事な花を咲かせて楽しませてくれている。
そんなことをご近所の方が話してくれた。池を望む小高い場所にお住まいで、ご自宅を望池苑と名付けてらっしゃる。仲間とともに谷戸池を浄化するためEM団子を使い、桜のシーズンにはご自宅の電源から照明をつけて夜間ライトアップする。有志の皆さんとまさに「丹精している」のだ。
15年ほど前、私がこの谷戸池を初めて訪れた頃は葦が生え、夏場にはアオコが浮かぶ、どちらかと言えばワイルドでひなびた場所だった。カエルやコイ、フナ、カメが生息し、アヒルやカモも浮かび、斜面の湧水が出る場所には沢ガニがいた。それがご近所の皆さんのご 努力で、ワイルドさはそのままに水がきれいになった。カモやカワセミまで見られる住宅街のオアシスだ。
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「春が来た!」を形で表わすと菜の花になるんじゃないかと思ってしまう。この野菜が並ぶとその場が何ともいえず華やかになるのだ。
関谷の農家の柏木さんはそんな食用菜花の在来種を育てている。昨年の10月下旬に種をまき、野菜の甘みを育てる寒い時期を過ごして春先になった今、軸は一気に伸びた。雨後の温かさで一日に5センチ近く成長することもあるという。改良種より背丈が高く なる在来種は、3月初旬ごろ少し遅れて最初の花がひらく。するとあの愛らしい黄色い花が次々と咲きだすのだそうだ。けれども出荷は開花直前。こうして多くの菜花
が畑ではなく店頭で開花を迎え、私たちを楽しませてくれるのだ。
「この菜の花は軸も太くて葉も大きいのに柔らか。癖もなく苦みも少ないから花も軸も葉も全部食べられるんですよ。春をめしあがれ。」今年は雪が降ったので開花時期が遅いとはいえ、菜花の成長に柏木さんは嬉しそうだ。
柏木さんの菜の花が運んでくれる「春」は、何とも甘やかですがすがしい。さわやかな香りがあって苦味はほとんど感じられないから、う~ん、美しく甘く、ウレシクなるのだ。今まさに咲こうとするつぼみたちは、畑でもあざやかに季節の到来を伝えてくれる。
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今年もありがたいことに、我が家に竹の子が届いた!自宅の裏手やお寺の山で取れたてと言うのを誰かしら持って来てくれることが多い。これも山が多い鎌倉ならではのことかもしれない。
まだ土も乾いていない竹の子は、幾重にも皮の衣に包まれて、そのうまみを大切に抱えている。なんだか厚着した子どもみたい。根っこの方の赤みを帯びたぷつぷつが着物の帯のアクセントのようだ。
堀たてならナマで食べてもアクがないといわれる。焚き火をして良い土地なら、皮付きのまま焚き火にくべれば小一時間もすると蒸し焼きが出来上がる。白さと驚くような甘みとさくさくとした歯ごたえが文句なくすばらしい。もしもお酒を入れた青竹も一緒に火にかけられるなら、香ばしくもさわやかな熱燗のお酒にもありつける。この組み合わせが、サイコーにうまいんだな!
残念だが焚き火ができない場所なら、皮をむいてすぐにゆでる。ナマのお米を数粒入れるときめが細かく白くなると言われている。梅干を入れるといたみにくく、味も引き立つと聞いた。ゆっくりゆでて、ゆっくりさました竹の子は、わかめと一緒の若竹煮にしてもよし、刺身でわさび醤油で食しても、天ぷらにしてもおいしい。だってこんなに豊かな土地の滋養をたっぷり抱えてるんだもの!(Can)
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3月半ば。もう春なのだな、と思う。梅もこぶしも、木蓮も桜も一緒に咲いている!記録的な暖冬なのだそうな。でも暖冬じゃなくても、鎌倉市の玉縄地域にある県立フラワーセンターでは2月の下旬から開花する桜がある。フラワーセンターの地名を取って名付けられた「玉縄桜」
県立の農業試験場として観賞用の植物の生産を研究していたフラワーセンターで、昭和40年代に生まれた。「ソメイヨシノ」を元に、早咲きの苗木から育てられたもの。開花期間が長く、早いものでは2月下旬から始まり3月いっぱい咲いている。変り種や早咲きの桜の多いフラワーセンターの中でも、この桜は薄いピンク色がひときわ可憐な正統派。鎌倉生まれの桜は市内の小学校にも配布され、子どもたちに美しい姿を見せている。玉縄小学校の玉縄桜は今、満開。道行く人も足を止めるほどの見事さ。卒業式にも充分間に合いそうだ。この桜のそばで、子どもたちは友達と一緒の6年間の思い出を振り返るんだろうな。
鎌倉の大船駅西口側は玉縄地域と呼ばれる。6000年以上前から人が住み、古代に作られた横穴も現存。土器や化石も出土する。玉縄の名はこの地で出た土の玉に縄をつけた古代のネックレスから付けられたとも。水が豊かで海に近く土地は適度な高低があり温暖な気候。古くから住みやすかったのだろう。
駅前の柏尾川の土手はかつて桜並木が続き、バスの折り返し場上の山は「桜山」と呼ばれた牧歌的な場所。桜とゆりが自生し農地が広がっていた玉縄にも、昭和30年代から宅地開発が広がり、その風景は変っていった。玉縄桜はその頃から育てられた。変り行く地域にあって、この樹がかつての「のどかな風情」を伝えてくれれば、と心から願う。(Can)
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